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【Charade Maniacs】 クリア後キャラ別感想

目次

あらすじ

バングルという腕につける端末により、人々の情報や健康等が管理されている近未来。
ある日主人公のヒヨリは突然拐われて、異世界アルカディアと呼ばれる場所に連れてこられます。

そこにいたのは、9人の同じ状況に置かれた男性陣。集められた10人は異世界人の娯楽のためのドラマを演じることを強要され、帰るためには自分たちの中に素知らぬ顔で加わっている主催者(プロデューサー)を探し当てなければならないと説明を受けます――

感想

あらすじを読んだ時点でワクワクしてました。

評判通りシナリオがとにかく面白かったです!

9人も攻略相手がいるので飽きるかなと思いきや、全くそんなことはなく。

各ルートでそれぞれ重要な情報が散らばっている構成なので、別の人のルートで「あの人のアレはああいう意味だったんだな」等、わかって楽しいです。

一つの事実が明らかになると「あれ?じゃあ、なんで〇〇?」という疑問がでてくるのですが、その疑問もゲームを進めれば全て納得がいく。これがとても気持ちよかったです。

人を疑う、人狼ゲームのようなプロデューサー探しですが、後味は爽やか。

この点が大変良かったです!

ちなみに人狼ゲーム系のお話ではレイジングループも面白かったですが、こちらは非常に血生臭かったのでしばらく引きずりました…(笑) 

(あちらは男性主人公でギャルゲー要素アリ。えぐい展開多めなので人を選びますが、ループものとしてめちゃくちゃ完成度高いです。おすすめ!)

以下ネタバレありの感想です!ゲームの特質上、プレイ前のネタバレは著しく楽しみを削ぐ結果になるので、ご注意ください。

舞台が近未来ということが異世界アルカディアのもろもろに説得力を持たせていてお話作りの巧妙さに舌を巻きました。

デッドエンドという人の生死に関連するシステムの存在により、緊迫感を持たせながらも、最後の種明かしで救いがある。

これ、現代設定だとどうしてもご都合主義にならざるを得ませんが(それでもいいんだけど)バングルという存在のある近未来ならではの話運びと説得力にすごいな〜!と唸りました。

人々の情報が一つの機関に完全に握られているというある種のディストピア世界で、その仕組みを利用して繰り広げられるお話…。

安直に情報局vs主人公みたいにならず、むしろ情報局は本編上では味方サイドなんですが、ところどころ黒さが見えるところがリアル。

こんな全てを管理される世界になったら嫌ですが、このさもありなん感が怖い。今だって、そうなりかけてますよね…。

キャラ別感想

※プロデューサーの正体について該当キャラ以外でも触れてます
画像は公式Twitter様の発売1周年記念配布アイコンをお借りしサイズを調整しています。著作権はIDEA FACTORYに帰属します。

トモセ

セコム系年下幼馴染。

ヒヨリにとって大切な存在ではあるけれど、トモセの周りへの刺々しい反応も相まって、つい他の人のフォローにまわってしまう→トモセの不満がたまっていく流れが自然で、トモセがついにその苛立ちをヒヨリにぶつけるところは「あぁーそうだよね…」と同情してしまいました。

ヒヨリさえいればいいという閉じた世界で幸せになりたいトモセと、色々な人との関わりの中で生きていきたいヒヨリでは当然意見が食い違い…。

このルートではトモセの成長に焦点をあてていて、ヒヨリが振り向くまでの恋愛過程が丁寧に描写されているのがいいなあと思いました。

トモセに目を覚まさせるためだけに罰ゲームすら厭わないヒヨリちゃんはガッツがありすぎる。

総じてスケールの大きい痴話喧嘩する2人とそれを見守る8人って感じが面白かったです。(語弊あり)

ケイト

こういう話には絶対1人はいる、周りに攻撃的な態度をとる子!好きです。

基本誰に対してもツンツンですが、女性嫌いのため主人公にはさらにキツイ。

過去の出来事から女性がトラウマとなっており、ケイトルートはこのトラウマを乗り越えていくお話でした。

ただのツンツンキャラじゃなくて、料理には拘りを見せるおかんキャラなのも、いい感じにツンツンとバランス取れてて良かったです!

ちょっと口が悪いレベルじゃなく、実際に言われたら死ぬほど凹むな……っていうレベルで口が悪いケイトですが、ところどころで見える根の良さ。

最初だって、ぶつかった時にわざわざ受け止めてあげなくても良かったんですよね。

女性に触れることにあれだけ拒絶反応がでていた初期に、それでも咄嗟に転びそうになるのを助けるところが、ケイトの本質なのかなと。

ケイトルートの最後の展開お気に入りです。

最後のヒヨリの「わたしを選んで!」が痺れるほど格好良かった。

断られるかもしれないと思いながら、その怖さを乗り越えて公開告白するヒヨリほんと男前…。好き…。

キョウヤ

ジャンプ主人公、もしくは特撮の主人公感が強かったです。

真っ直ぐな性格、年の近いお兄ちゃん感、高いコミュ力と気遣い、超人的な身体能力を持つハイスペ男子。

イイやつだけど女の子には鈍感でちょっとアホの子だったりするのかなとか思っていたら、想像を裏切るデキる子だった…。 

キョウヤはとてもモテるタイプだと思いました。学校でもクラスの中心人物だろうし、恋バナでは絶対誰かが名前あげて牽制し合うやつ。

圧倒的光属性男子ではありますが、そうなろうと努力してそうしているところが非常に人間味が溢れていて良かった。

自分の正しさを無自覚に他者にも押し付けようとしてしまうところとか。(キョウヤは情報局側なので、自分がみんなを助ける!という意識が強かったのも原因の一つかなと思いますが。)

ルート内ではそんなある種の傲慢さとも向き合う勇気を手に入れましたが、ルート外では彼のそんな押し付けがましい正義感、脆さゆえに波乱が起きたり。

情報局も一枚岩じゃないでしょうが、副局長が黒だとミズキルートで判明しているので、キョウヤが心配になります。

自分の正しさを疑わない強い正義感をもった善人ほど扱いやすい駒ってないよね…ミズキさんがいれば大丈夫だろうけど。

そんな弱さはあるものの、性格はかなり良い人なので真っ直ぐ向き合えば、向こうも同じように返してくれる直球な感じが見ていて気持ち良かったです。

ミズキ

物腰柔らかで理知的でユーモアもあって美声で美形…!

ヒヨリがおちてしまうのも納得!ですが目的の遂行のためなら手段を選ばない人なので読んでいてヒヨリが可哀想で…。
それでも惹かれてしまうという恋愛の危うい感じがとても良くでていて好きでした。

方向性は正義の人ではありますが100人を救うために1人の犠牲はやむなしという考え方のミズキ。睡眠薬盛ってその間にバングル外そうと画策したりなかなか恐ろしいことをします。(これ逆に外せちゃってたらヒヨリ死んでましたね)

勿論ヒヨリに対して罪悪感がないわけではなく、内心では葛藤しまくりなのですが、あまりにも顔にでない。それぐらい感情を押し殺すことに慣れてしまっているところが切なかったです。

でもそうでもしないと今まで切り捨ててきた犠牲の重さに耐えられなかったんだろうな。たとえそれ以上の人を救ってきたのだとしても。

そんなミズキが最後には自分の兄含む200人超えの過去のキャストとヒヨリの命を天秤にかけられた時に選べなかった。

今までだったら迷いなく選べたはずの決断ができなくなってしまったところが、もう心底ヒヨリに惚れているんだ…と泣けました。

他キャストのことを考えるとアレですが、そこでヒヨリを迷いなく捨てるほど人間味を失ってなくてよかった…本当に…。

超がつくほどお人好しなヒヨリは、ミズキが今までいらないと切り捨ててきた象徴のようなもので、だからこそ眩しく映るんだろうな。

ラストゲームには敗北したものの、最後はプロデューサーの温情によってポイントさえ貯めれば自分たち含め過去のキャストも帰れるというED。
ええ!?いいの??と最初は拍子抜けしましたが、真相ルートまでやってみて納得。

彼ならそうするよね…もう賭けは終わったんだから。

ゲームマスターのせいですが、なんやかんやでヒヨリが一番痛い目にあってるのもこのルート。二回刺されて苦しむヒヨリを見た時のメイちゃんの心境やいかに…。

マモル

このルートは他ルートに比べて重かったですが、好きです。

ヒヨリとお付き合いすることで一番救われたのはこの人なのではないかな。

異世界人とのハーフで、人間ではない右腕を受け入れてくれた主人公に心からの信頼を寄せていく過程がとても良かった…。

罰ゲームで脚が動かなくなったり目が見えなくなったり、異世界人からも異形の姿として迫害を受けたり、泣けてしまうほどに痛々しい描写の数々…。

それゆえに彼が自罰的な態度を改めて己の出自と向き合った時の感動もひとしおでした。

その特殊な生い立ちゆえに生きていくためスポンサーという異世界配信側立場に収まっていますが、賛同しているわけではないところがまた苦しいだろうなと。

でも、スポンサーの支援を受けられなくなったら異形の右腕を隠せなくなるわけで…。

常にその葛藤の板挟みの中にいるのかと思うと、本当に幸せになってほしいです。

ヒヨリが1人じゃ足りないので、分裂して欲しいですね…救われてほしい男子が多すぎ問題。

リョウイチ

悪いオトナ枠。異世界配信の狂信者。

キョウヤをデッドエンドまで追い込んだことで、皆(ヒヨリのぞく)から総スカンをくらうという展開には完全にクロなので自業自得感はありつつ……それでもやっぱり胸が痛くなりました。

ヒヨリがリョウイチにのめり込んだのも、単純な好意とは別にこの放っておけなさも結構な原因になったんじゃないかなと思います。

そんな究極の慈愛精神を持つヒヨリが相手だったからこそ、リョウイチにも響くものがあったんでしょうね。

それにしても、リョウイチがスポンサーになった原因の一つである仲間外れの苦しさを、ここに来てもう一度体験しているという皮肉に唸ってしまいました。

平気そうな顔しているけれど、これ絶対かなりのダメージ受けてるよね。

そもそもスポンサーになる動機が自分でも言っているようにわりと大したことがない(笑)

けれどそれは裏を返せばそれだけ人の反応に繊細で臆病な部分を持っているということ。 

一人でシルバーアクセサリーを作るリョウイチの姿想像するだけで切なくなります…。

隔離場所にヒヨリが来てくれた時は嬉しかっただろうな。

「俺のこと本当に好きだよな」と言える、絶対に自分のことを見捨てないと思わせてくれるヒヨリ相手だからこそリョウイチは安心して本気になれたのかもしれないと思います。

それでいてヒヨリが凄いのは、好きな人に盲目的に従うのではなくて、時にはリョウイチを出し抜く強さを持っていること。

プロデューサーを騙るリョウイチの嘘を暴くために、ある程度自分に信頼感を持っているのを知った上で(利用して)真実を語らせてそれを録音発表するヒヨリさんがカッコ良すぎた。

最後はデッドエンドになったキョウヤを助けるためにポイントを貯めていくED(まだ帰れていない)ですが、帰った後の話をしたり、SSのリョウイチ視点を見ると、もう彼にとって「あの人」よりもヒヨリの存在の方が大きくなっている気がします。

※キョウヤへの鬱屈した感情に関しては、キョウヤ自身を見ているというよりは、過去に出会った誰かとを重ねているような気がする。過去に自分を除け者にしてきた人がキョウヤみたいな性格だったのかも。

ソウタ

軽い見た目、軽い口調に関して実はすごく人情深い部分を持っているところが最高でした。

メイを救おうとしてくれた人が、主人公とは別にいるところがなんだかいいなと。

ソウタルートのEDでは、お互い幸せを感じながらもどこか心残りを感じているところが切なかったです。

キョウヤルートでもふんわりその描写はあったけど、やっぱり関係が近いと記憶消去に多少の違和感は残るんだろうなと思います。

SSでのソウタ視点を読んで、彼の思っていることと口に出す言葉とのギャップに驚きました。

君…あんな食えない言動ばっかりしておいてそんなに可愛いこと考えてたの!?

アルカディアでの振る舞いは結局めちゃくちゃ頭が良いからこその立ち回りであって、中身は普通に好青年なんですよねこの人。

クセがないのであまり書くことがないんですが、すごく好きなキャラです。

なんやかんやでメンバーの中でもかなり常識人に位置すると思います。

だからメイと相性いいんだな。ずっと仲いい友達でいて欲しいです。

メイ

前回参加者であり、ヒヨリのクラスメイトでもあり、今回限りのプロデューサーさん。

ヒヨリに自分のことを思い出してもらえたら帰れるという賭けをゲームマスターのタクミとしていたメイ。

ヒヨリを巻きこんだことに罪悪感を持っていますが、それでもその気持ちを考えるととても責められないし、ただ一目でいいから会いたいって思うのは無理ないと思います。

それも、クラスのみんなが死んだ金魚のことを時が経つにつれ忘れていくなかで、1人だけ忘れないよと言っていた優しい女の子だから。

もしかして自分のことも、忘れないでいてくれるかも。

そんな思いに縋りたくなるのもわかる…。

自分を思い出すことで救ってほしい、という気持ちは勿論あったと思いますが、それとは別に一人ぼっちで異世界配信を行うタクミも救いたかったのかなと思います。

記憶を消去しても消せないものがあると証明することで、タクミにもなにかを感じさせたかったんじゃないかな。

他ルートで他の人とくっついても祝福してくれるところがまた切ない。自分がもう帰れないことが確定してしまったのに。

前回参加の際にソウタのかわりに罰ゲームを受けたりと、好きな子以外にも優しいのがたまりません。普段の様子でも、ちょっとした時の声の掛け方、フォローの仕方が上手で好きです。

メイルートは報われてよかったね…!!と思う一方で、右眼は見えないままだし、ケイトの左腕も戻らない、リョウイチはスポンサー活動に励んでるしソウタは学校に来ないし、(たぶん記憶が戻ってメイの右眼が自分のせいであることに罪の意識を持っている)ビターエンドな感じが切ない。どうしてこんなに不憫なの、この子は。

罰ゲームで奪った機能くらい返してやってよタクミ…

それと、前回プロデューサーをあてたところからしても実はかなり頭が回るタイプなのかなと思います。

当然、過去キャストからのメッセージを自演するリスクには気付いていただろうけど、それよりもヒヨリちゃんの声を戻してあげたかったんだろうね。君ってやつは。

タクミ

あの…パルトにしちゃって良かったのかな…

一緒にお風呂入ろうと目論むような下心アリの男がペットの特権を活かしてヒヨリに甘えてるのズルくないか!?と私の中のトモセが暴れてます。

行動の動機は納得できるものでしたが、デッドエンドキャストたちの失われた時間は帰ってこないんですよね…人間と同じようにおしゃべりできるようになった異世界人も見殺しだし…。

しかもいくら本当には死なないとはいえ、時には死んでしまうような痛みを与える過激ドラマを強制演技させていた張本人でもあるわけで。

結果的に体に傷は残ってないから大丈夫!とはやっぱり思えません。

精神面はPTSDやトラウマになりかねないレベルの打撃だと思うのですが…!

真相ルートが一番の大円団EDですが、やっぱりちょっとアステルは役得すぎる気がします…。

とはいえ、総括としてはやはり評判通りとても面白かったです!

謎が解けていく楽しさに夢中になってゲームを読み進めてました。

ボリュームある面白い本を読み終えたような満足感。

早く真相まで読みたい、でも終わるのが惜しい…そんな気持ちを感じさせてくれる作品でした。

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