男主人公ということもあり本好きの小中学生男子に是非おすすめしたいです。
私が男子だったら、絶対この本を読んでバンド始めてただろうな…(影響されやすい奴)
ドイツが舞台なのも新鮮で、物語の魅力やワクワク感を高めてくれます。
↓ピンときたらおすすめ
- 男主人公
- 夏休み
- 異国が舞台(ドイツ)
- 音楽
- 青春
あらすじ
夏休み、当初予定していたベルリン家族旅行の予定が変わり、一人でベルリンに向かうことになった14歳のレオ。
滞在先のシェアハウスに住んでいるレオと同い年の血のつながらないユリアン・リサ兄妹の力をかりながら音楽仲間ケチルの想い人を探します。
ギターが趣味のレオはサマーフェスティバルにバンドメンバーとして出てくれないかとリサから誘われますが──。
感想
物語に登場するキャラクターそれぞれが魅力的です。
アパートの大家ケチル(ケチが由来のあだ名)を筆頭にドイツで出会うユリアン・リサ兄妹も最高にいいキャラしてます。
二人はかつての同級生で親の再婚によって家族になったという複雑な関係(!)
リサをめぐるユリアン、レオの微妙な関係性がとても好きです。
はっきりと表現はされないし別段ぎすぎすもしないけれどお互いなんとなく意識しあってる感じが青春~~って感じ。
この今を生きる少年少女の恋模様とずっと昔、かつて少年少女だったケチルとその想い人の恋が描かれるのにグッときます。
私自身はレオの恋を応援しつつ、「雑誌のモデルかタレントのよう」と表現される容姿のユリアンにキャーキャーしてました。
出番こそ少なかったものの、一見粗野な印象のベアカイもいいキャラクターだと思います。
音楽をテーマに、年齢も人種も超えて人は繋がることができる。
そんな力強いメッセージを感じられる本作。
レオがベルリンに滞在する四日間のお話ということでテンポはよいのですが、キャラクターに愛着がわいてまだまだ見たいというところで終わってしまうのが悲しい。
レオたちのその後が見たいので、続編を切に希望しています。
今のところリサはレオに気持ちが向いているようですが、今後ユリアンはどう動くんでしょうか…気になるところです。
作者の那須田淳さんは『一億百万光年先に住むウサギ』から知りましたがすっかりその作風の虜です。
文章だけでなく、文章から感じる雰囲気、作風が洒落ていて。
この独特の雰囲気が好きな人、絶対たくさんいるはず。
お気に入りの音楽を聴きながら、コーヒーや紅茶片手に読みたいお話です。